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カネジョウ外部へ事業承継 CFOジャパンが子会社化

2021年12月2日

ネット用カネジョウ店内
 岡谷市中央町のカネジョウは11月30日付で、全株式を中小企業の経営支援に取り組むCFOジャパン(東京、中嶋智社長)に譲渡し、同社の完全子会社となった。カネジョウ創業家の小口博毅社長は退任し、中嶋社長がカネジョウの社長を兼務する。自身の体調問題などもあり、外部への事業承継を模索していた小口前社長の思いと、地域経済圏を支える中小企業支援を行うCFOジャパンの取り組みが一致した。
 カネジョウは1885(明治18)年、小口商店として創業し、ことし135年を迎えた市内を代表する老舗。現在はイルフプラザ内で婦人服や着物、寝具などの専門店を経営している。事業承継で経営は創業家を離れるものの、パートを含む27人の従業員の雇用契約の変更はない。
 中嶋社長と小口前社長は1日、同店で取材に応じ、中嶋社長は「創業135年のカネジョウの経営のバトンを受け取ることに責任の重さを感じている」とし、「少子高齢化が進む地域の中で、大手資本の衣料品店舗では決してまねをすることができない顧客との深いつながりを生かし、単なる『物売り』にとどまらない価値を提供していく」と話した。
 小口前社長は「カネジョウにとって初めての創業一族以外への事業承継に当たり、承継後の事業成長の可能性も重視したが、中嶋社長の思いや誠実さ、科学的な視点が決め手になった」としている。
 CFOジャパンによるカネジョウの株式取得は、同社が新たに始めた「地域共創基盤事業」の第1号。同社では「金融機関や事業承継支援機関などの協力を仰ぎ、カネジョウと相乗効果が期待される企業との資本提携や業務提携、経営支援を継続的に行い、本拠地である諏訪地域を中心とした『共創基盤』グループを構成し、地域経済への貢献を目指す」としている。
(写真はイルフプラザ2階のカネジョウの店内)