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風呂敷の開発着々 定義付け後「オール岡谷産シルク」第1号
2021年10月26日
岡谷シルクのブランド化による地域活性化を目指す官民協働組織「岡谷シルクブランド協議会」は、「岡谷シルク」定義付け後の第1号「オール岡谷産シルク」製品として風呂敷の開発を進めている。開発を担うワーキングループが既に1回目の試作を終え、厚さや糸の太さを検討。メンバーからは柄の案も上がっていて、2回目の試作を経て来年1月中旬の完成を目指す。
市内の製糸工場に勤めた工女が、土産を風呂敷に包んで帰省した習慣があることに着目。手織りで独自性を出せ、使い方が多種多様なことに加え、人生の節目を祝う贈り物にもなることなどから第1号に決めた。
宮坂製糸所(郷田1)が岡谷産の繭を諏訪式繰糸機でひいた生糸を使い、岡谷絹工房(中央町1)が手織りする。完成品は市観光大使の歌舞伎俳優、市川笑野さんと市川右田六さんに贈呈する計画。2人が衣装を包める90㌢四方、一般的な70㌢四方、ふくさとして使える45㌢四方の3サイズを各15枚仕立てる。
最初は、種類や太さの違う糸で45㌢四方の数枚を試作。確かめた手触りなどを元に近く、2回目の試作に入る予定だ。デザインについては、ワーキンググループから「青、緑を基調にしたグラデーション」「御柱をイメージ」「格子やチェック柄」などのアイデアが集まっているという。
25日に市役所であった同協議会の会議では、事務局の市ブランド推進室職員らが開発の状況を説明。宮坂製糸所の高橋耕一社長は「三沢区民農園が育てたことしの春と秋の繭を合わせて10㌔ほどの糸取りが終わり、ねん糸工場に預けてある」などと報告。織りなどを担う岡谷絹工房の小山町子代表は「90㌢の風呂敷は大きなものを包むので、厚めでしっかりしていた方がいいと考えている」と話した。
観光大使の2人には、「風呂敷の日」の2月23日に完成品を贈る計画。間に合えば、2月に予定する本年度第3回会議でお披露目するとしている。
(写真は、風呂敷に使う生糸を見る協議会の委員)