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初めて人乗せ実践 建御柱へ春宮一「七睦会」
2021年9月20日
2022(令和4)年の諏訪大社御柱祭で、春宮一の建て方を奉仕する「七睦会(しちむつみかい)」は19日、実地訓練を小井川賀茂神社で行った。初回の7月で洗い出した課題を踏まえてこの日までに意識の統一を進め、各係の責任者となる「頭(かしら)」を決めるなど組織体制も充実。初めて人を乗せるなど、より本番に近い想定で練習に励んだ。
同会は小井川、間下、今井、上浜、下浜、小口、西堀の旧市内7区の会員でつくる。各区の小宮祭で建て方に携わるなど精鋭が集まる中、前回は小井川のやり方で実践。そこから見えた手法の違いや課題を整理し、技術の確立や意識の統一を進めているという。
訓練では長さ約11メートル、重さ約920キロの小井川賀茂神社一の柱を使用。参加した30人余りは慎重に仕掛けをつくり、整ったところで車地を回すと柱は次第に角度を上げていった。今回は人を乗せたため、作業が進むにつれて柱の上ではどの程度の揺れが生じるかを確かめ、本番では作業員として何人くらい乗るのが適当かなどを考える参考にもした。
柱は最終的に、70度近くまでせり上がった。建方長の山田敏和さん(49)=大栄町=は、ロープを掛ける滑車「金車」にねじれが見られるなど「次回への課題も見えた」と話し、「安全に建てるには無理のない仕掛けづくりが重要。会合で課題を協議し、7区のチームワークを発揮して安全に建御柱を行いたい」とした。次回の実地訓練は10月24日(日)の予定。木やり衆に参加してもらうなど、更に本番に近い形を考えているという。
(写真は、人を乗せてせり上がっていく柱)