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加工用トマト産地化へ 辰野町で取り組み
2021年5月28日
辰野町で加工用トマトの産地化を目指す「みんなでつくる自給自足town」プロジェクトが進んでいる。メーカーとの契約栽培で販路を確保し、規格外も町内でトマトケチャップなどに加工し循環させようとの取り組み。家庭の畑などで今季は35軒が栽培し、6月初旬までに900本の苗を植える計画だ。
6次産業化に携わる町地域おこし協力隊の秋山久子さん(46)が「ど真ん中みらい会議」で提案し、仲間を募って始動。加工用トマトは国産にこだわるソース製造メーカーで需要がある一方、真夏に収穫する重量作物のため、高齢化に伴い生産者が減っているという。
そこで町内でも以前から多くの人が生産してきたことに着目し、小規模でも生産者を増やし、個々の収量をまとめて出荷する仕組みを展開。苗を無料配布して住民に呼び掛け、それぞれ家庭菜園や畑の空いたスペースなどを活用し2〜150本を育てていく。
露地やハウス、農薬の有無など、畑の環境や栽培方法は異なるため、今季は栽培記録を取ってもらい適した条件を探る。情報共有できるサイトも立ち上げ、農業未経験者などが参加しやすいよう工夫。収穫後は自家用に加工できるほか、ケチャップも試作する。
「大規模は難しいけれど、少しずつでも栽培する人が増えれば産地化できる」と秋山さん。将来的には付加価値を高めた有機栽培も考え「出荷できないトマトも加工できれば無駄なく使えて、今までにない方法で、もうかる辰野の農業モデルをつくっていきたい」と話している。
(写真は、畑を回り栽培者と加工用トマトの苗を植える秋山さん㊨)