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今季も最上の「寒晒し蕎麦」を 八ケ岳蕎麦切りの会が仕込み作業
2021年1月13日
八ケ岳蕎麦(そば)切りの会は12日、厳しい寒さを生かした「寒晒(かんざら)し蕎麦」の仕込み作業を行った。市内にある清流にソバの実15袋計180㌔を沈め、これから1週間ほど冷水に浸して引き上げる。徳川将軍家に献上されていた茅野市の名物で、7月の夏の土用に合わせて各店で提供される。
ソバ生産者と販売者、茅野商工会議所などが、明治時代に途切れてしまった製法を研究して2007年に農工商連携で復活させた「寒晒し蕎麦」。厳寒期の清流にさらし、八ケ岳山麓の風で1カ月ほど乾燥させることで、雑味が抜けて甘みが増すといい、幻のそばとしてブランド化を図っている。
市内そば店6店舗と製粉、製麺業者でつくる同会は、7年前から自ら栽培に乗り出し、毎年寒のうちに仕込み作業を行う。この日の気温は氷点下6度、水温は氷点下3度。昨年秋は好天が続いたため 「1等級」の品質だといい、川べりに厚さ10㌢近くの氷が張る中、北山柏原で収穫した玄ソバの袋を次々と清流に沈めた。
新型コロナウイルス感染拡大で、そば店も客足に影響を受けているが、宮坂新一会長は「ことしは玄ソバの状態がとても良いので、油断なく仕込みたい」と、今後の冷え込みに期待していた。
(写真は、雪の中、ソバの実を清流に浸す会のメンバー)