NEWS
「平(たいら)温泉」が改築100周年〜神事や記念式典で祝う〜
2020年11月25日
諏訪市小和田の共同浴場「平(たいら)温泉」の改築100周年記念式典が23日、同温泉などで開かれた。管理する平温泉組合の役員や来賓約30人が出席。湯煙を絶やすことなく、老若男女が絆を深め合う場として後世に継承することを誓い合った。
浴場で神事を執り行い、八剱神社の宮坂清宮司が祝詞を奏上。引き続き湯小路いきいき元気館で式典を開き、鉄羅康夫組合長(76)=同市清水=は「先人たちの労苦を大切にし、これからも組合と建物を守っていきたい」とあいさつした。
温泉熱を利用した「祝平温泉百周年」の電飾看板もお披露目。60度の湯と25度の水道水の温度差で電力を生む仕組みで、文字を約350個のLED電球で光らせる。機械設計業を営む小酒井正浩さん(76)=同市岡村=が4カ月かけて製作したもので、建物正面に設置し、常に点灯させておくという。
組合では記念誌発行などの記念事業のため寄付を募り、県内外の約170人から約170万円が寄せられた。組合員以外で支援した約40人には、30枚つづりの入浴券1セット(3千円相当)を進呈した。
「平湯(ひらゆ)」とも呼ばれる平温泉は、江戸時代から庶民が入る湯として親しまれ、現存する市内最古の共同浴場とされる。1921(大正10)年2月に改築された建物は木造一部2階建てで、赤い屋根に青緑色の外壁が特徴のレトロな外観。映画「テルマエ・ロマエⅡ」(2014年)のロケ地としても知られる。
(写真は、神事の後で浴槽の湯加減を確かめる参列者ら)