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地域の伝統絶やさない 古田人形保存会が稽古再開

2020年10月9日

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 新型コロナウイルスの影響で稽古を中断していた古田人形芝居保存会が、11月の伊那人形芝居公演に向けて活動を再開している。4月から休会していたものの、「練習しなければ」との思いで8月から準備を開始。地域の伝統を絶やすまいと、担い手たちは感染症対策を徹底しながら奮闘している。
 古田人形芝居は、江戸時代から上古田に伝わる県選択無形民俗文化財。保存会は1961年に発足し、現在は20〜80歳代の20人で活動する。コロナによりことしの各公演は中止になり、会員はイメージトレーニングや映像で自主練習してきた。
 現在、取り組んでいるのは「伊達娘恋緋鹿子(だてむすめこいのひがのこ)—火の見櫓(やぐら)の段—」。盗難事件に巻き込まれた恋人を助けようと、偽の火事騒ぎを起こす娘を描く。接触頻度を減らそうと、上演時間が15〜20分と短い外題だ。
 上古田公民館での稽古では、マスク姿の会員が互いの呼吸や足さばきなど細部まで確認。浦野哲郎さん(34)=沢=は「人形の動かし方を思い出すところから始めた」と休会の影響を振り返り、「焦りはあるが、生きているようにきれいに動かしたい」と意気込む。
 伊那人形芝居公演は、伊那谷4座による協議会が毎年、飯田市の黒田人形浄瑠璃伝承館で開く。ことしは関係者のみの公演。町文化センターでの12月の定期公演も子どもたちのみの出演を予定、保存会は町教育委員会と代案を模索する。
 保存会では、箕輪西小と箕輪中への指導も学校側の方針に沿って再開した。唐澤千洋会長は、コロナ対策の難しさに触れながら「支援を頂きながら、歴史的芸術文化の保存を続けていきたい」と話している。
(写真は、マスク姿で稽古に励む会員ら)