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厄よけコロナ終息も願い 南小河内で「おさんやり」
2020年8月18日
厄よけコロナ終息も願い
南小河内で「おさんやり」
人数制限し区内一部を巡行
箕輪町南小河内区に伝わる厄よけ民俗行事「おさんやり」が16日夕、区内堂の前であった。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、参加人数の制限や区内巡行の原則中止などの配慮をしながら実行。白装束の参加者約50人は、ナラの木やカラマツで造った「お舟」を担ぎ、疫病退散などを願いながら、勇壮な姿を披露した。
「おさんやり」は、江戸時代発祥とされる町の無形民俗文化財。舟を区内に巡行させたり、神のより代に見立てたナラの木の周囲を回ったりして、厄をはらう。分館役員や区会議員らでつくる盆祭実行委員会が実施。区民の要望を受け、感染症の終息祈願も込めて開いた。
舟は全長約10㍍、高さ約3.5㍍の大きさで、重さは約400㌔。わずかな距離だったが、会場周辺を練り歩いて威容を示した。堂の前に戻ると、ナラの木に代えて立てておいた竹の周囲を反時計回りに3周して厄を落とした。巡行に先立ち、太鼓演奏や地元民踊「よいそれ」の披露もあった。
厄落としの後、担ぎ手は「よいしょ、よいしょ」と声を掛け合いながら舟を壊し、区民に配る木っ端などを準備。舟の破片を玄関先に飾ると、一年間の厄よけになるという。約170軒分を用意したが、感染対策のため受け取りに来る人数を1軒に付き1人とした。
実行委員長の瀬戸正治さん(70)は「力を合わせ、無事に伝統を守ることができてうれしい。若い人や転入してきた人が集まる場としても大事にしたい。コロナの終息も願いたい」と話した。
写真=区民らに担がれて進む「お舟」