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船魂神社の枝垂れ桜守れ 樹勢回復へ原因探る

2020年8月6日

200805船魂社シダレザクラ診察
 2006年「七月豪雨」で、土石流から下流の住宅街を守ったとされる岡谷市湊の船魂神社境内の枝垂れ桜(市天然記念物)に衰えが見え始めている。推定樹齢100年を超える老木には枯れ枝が目立つようになり、花の盛りの時期に行う恒例のライトアップは負担を掛けないためにことしは中止。今後の手入れの参考にしようと、5日には樹木医の検査を受けた。管理する湊5町内会の花岡勉会長(65)は「住民の命を守ってくれた桜。できる限りのことをして何とか元気にしてあげたい」と話す。
 06年の土石流で、同社がある小田井地区では住宅が流され、死者が出るなどの被害があった。住宅街より高台に位置する同社は土石流の直撃を受け、本殿や鳥居などが流されたが、枝垂れ桜は傷を負いながらも生き残り、土砂の流れを南北に分散させたとされる。
 市教育委員会の記録によると、幹回りは3・8メートル、高さ約20メートル。被災後、地元住民の手当てもあり樹勢を取り戻して翌年から花を咲かせ、多くの観光客が訪れるようになった。その後も度々衰弱が見られたため13、17両年にも樹木医の診察を受け、同町内会で手入れを続けてきた。
 同町内会によると、近年は枯れ枝が増え、枝の落下による事故を懸念する声が寄せられている。「枯れ枝が目立つせいか、花も少なくなっている気がする」と花岡会長。衰弱する様子を見て、効果的な手入れの方法を探るために樹木医の検査を受けることを決めた。
 桜の診断には町内会役員のほか、市や県の関係者ら5人が立ち会った。樹木医の男性は、複数の枝先が枯れている状態を「見たことがない」とし、「桜が専門の樹木医などにも相談して原因を突き止めたい」と話した。診断結果は1カ月ほどで出る見込み。
(写真は、枯れ枝が目立つようになった枝垂れ桜)