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霧ケ峰下のメガソーラー計画 事業者が撤退決断

2020年6月20日

諏訪市四賀の霧ケ峰下で大規模太陽光発電(メガソーラー)事業「諏訪市四賀ソーラー事業(仮称)」を計画していたLooop(ループ、東京)は18日夜、建設計画地の地権者が市内で開いた説明会で、事業からの撤退を表明した。19日には、県や諏訪市にも撤退の意向を正式に伝えた。
  地権者への説明会は非公開。地元の2会場に100人余が参加して行われ、ループ側は中村創一郎社長ら数人が出席した。参加者によると、「撤退を決断した」との説明に対し、地権者側の異論はなかったという。
 ループは終了後の取材に応じなかったが、地権者や報告を受けた諏訪市によると、同社は、環境影響評価(環境アセスメント)への対応が困難で着工が大幅に遅れることや地元から厳しい意見が出ていることを受け、「取り掛かるまでにかなりの時間を要し、その間に森林を放置するわけにいかない」と説明した。電力の買い取り価格が年々下落していることも一因とみられる。
 県環境部によると、19日午前9時にループの担当者から電話があり「前夜の説明会を踏まえて正式に事業廃止の決定をした」と連絡があったという。関連法により事業者は、事業廃止の通知を経産省、県、諏訪市、茅野市に提出する必要がある。また官報や県公報などに公告すると定められている。
 四賀ソーラー事業の計画地は、上桑原牧野農業協同組合、霧ケ峰上桑原共有地組合、上桑原山林組合が所有する山林。事業区域196・5ヘクタールのうち約半分で木を伐採し、88・6ヘクタールに約31万枚の太陽光パネルを設置するとしていた。