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【八ケ岳】山小屋再開へ準備進む〜対策万全にスタッフら奮闘〜
2020年5月27日
新型コロナウイルス感染症の影響で、県内で唯一、感染リスクを招く3密(密閉、密集、密接)になりやすいとして、31日(日)まで県の「休業の検討依頼」対象となっている山小屋。県の登山自粛要請、登山口駐車場閉鎖は現在も続き、県内山岳エリアは登山者がいない閑散とした状態が続く。山文化を絶やさないようにと、八ケ岳の山小屋では6月再開に向け感染予防対策へ奮闘している。
四つの山小屋を経営する赤岳天望荘グループ(藤森周二代表)では、標高の高い場所にある夏沢ヒュッテの休業を決めたほか、天望荘については予約制とし、個室のみの利用に限定。大部屋の利用は当面中止とした。里に近い八ケ岳山荘や美濃戸山荘についても個室対応にするという。感染者が出た場合に備え隔離部屋も設けた。
このほかスタッフはマスク着用、日々検温を義務付け、受付には飛沫(ひまつ)感染防止のためのアクリル板を設置。宿泊者用の消毒液、清掃用の次亜塩素酸水、使い捨てシーツカバーなどもそろえた。食事についても時間差を付けるなどして対応を計画するという。藤森代表(56)=諏訪市=は「リスク回避に努力するが、山小屋だけでは限界もある。登山者の協力も大切」と話す。
26日にはスタッフ7人が対策に関して情報共有した。藤森代表は「新たな山文化を築き上げる一歩。日々改善、進歩を目指し努力する」と協力を呼び掛け。「コロナと共存」を理念とし▽常にコロナ対策、うつらない、うつさない▽チームとして情報共有—などを確認した。
山小屋の再開ガイドラインはないといい、国際山岳医の大城和恵さんが作成した「登山再開に向けた手引」などを参考にした。藤森代表は「今はまだ準備の段階。安心して楽しめるように準備を進めたい」と話していた。
県山岳高原観光課によると、県内外への登山自粛要請、山小屋休業の検討依頼は31日までの予定。同課では「今後の方針については今週中に方針を示したい」とする。各山小屋の営業状況は八ケ岳観光協会ホームページで見ることができる。登山口駐車場閉鎖についても市は県の要請を受け解除したいとする。【八ケ岳】山小屋再開へ準備進む〜対策万全にスタッフら奮闘〜
(写真は、八ケ岳山荘で再開に向け打ち合わせをする関係者)