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諏訪湖上花火大会の中止決定 9月の新作大会も

2020年5月12日

19年の諏訪湖花火
 第72回諏訪湖祭湖上花火大会の実行委員会は11日、諏訪市役所で会議を開き、8月15日(土)に予定していた大会の中止を決定した。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、参加者の安全が確保できないと判断した。大会が事前に中止されるのは、1949年の開始以来初めて。併せて、9月5日(土)の第38回全国新作花火競技大会も史上初の中止が決まった。
 実行委員会会長の金子ゆかり市長が「参加者の安全確保が第一。積み上げてきたブランドの価値を維持することやチケットの売り上げ、スポンサーからの協賛金の予測も難しい」として中止を諮り、全会一致で決定した。諏訪商工会議所の岩波寿亮会頭は席上「いったん踏みとどまり、花火大会の今後をじっくり考える機会にしたい」と発言。諏訪湖温泉旅館協同組合の伊東克幸理事長は「観光や飲食は先細りの状態だ。今後の経済対策を重視してほしい」と述べた。
 諏訪湖上花火大会は戦後混乱期に戦没者の追悼と市民生活の復興を願って始まり、諏訪の夏の風物詩として定着。国内最大規模の約4万発が打ち上げられ、昨年は46万人の来場があった。2008年の民間調査によると、経済波及効果は58億7千万円。
 金子市長は取材に「全国にファンが多くおり、経済活動の上でも重要な大会であるので断腸の思いだ。また新たな気持ちで皆さんの期待に添えるよう準備していきたい」と話した。
 全国新作花火競技大会は、諏訪湖祭湖上花火大会の仮設打ち上げ台や備品を借用して運営していることや、参加者の安全確保が難しいことを鑑み、中止の判断をした。
 一方、7月26日(日)〜8月30日(日)の「諏訪湖サマーナイト花火」は、現時点で開催する方向。毎日約15分間、約800発ずつ打ち上げる計画だ。最終判断は6月下旬に行うという。
 (写真は、昨年8月に開かれた湖上花火大会)