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土器の愛称「火の女神フゥーちゃん」に 八ケ岳美術館
2020年3月18日 原村教育委員会が公募した八ケ岳美術館所蔵「顔面装飾付釣手土器」の愛称が「火の女神フゥーちゃん」に決まった。このほど同館で開いたセレモニーで、名付け親の原小学校3年の篠田怜生君(9)=原村南原=に五味康剛教育長が「土器の特徴をよく捉え呼びやすく親しみやすい」とし、表彰状や文房具などの副賞を贈った。
顔面装飾付釣手土器は、1977年に前尾根(まえおね)遺跡から出土した4500年前の縄文中期後葉の土器。高さ、横幅とも約30㌢で顔面の装飾部分は、目がつり上がり、おちょぼ口であどけなさが感じられ、人間が釣手土器を抱え込んだようにも見える。祭りや祈祷(きとう)時に、火をともしランプのように使ったとされる。
同館では、同土器を含め村内の遺跡から出土した土器18点が県宝に指定された記念展「縄文のアーティスト」を22日(日)まで開催。関連企画として原村を代表する同土器の愛称を先月まで募集した。県内外から338件の応募があり、歴史民俗運営協議会が選考した。
篠田君は土器には火を使った用途があり、装飾の顔面の口の形の印象、「フゥー」がフランス語で火を意味することから命名。「選ばれるとは思わなかった」と驚いていた。
愛称が決まり小泉悦夫館長も「日本中に知れ渡るように広めたい」と話した。村教委はフゥーちゃんをキャラクター化して、縄文文化の魅力を発信していく。(写真は、顔面装飾付釣手土器を前に愛称「火の女神フゥーちゃん」の周知ボードを手にする命名者の篠田君)