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暖冬 御神渡り遠く 八剱神社が 観察一区切り
2020年2月4日 節分の3日早朝、諏訪湖の御神渡り神事をつかさどる諏訪市小和田の八剱神社は、豊田の舟渡川河口で小寒の1月6日からの観察活動に一区切り付けた。2季ぶりの出現が期待されたが、宮坂清宮司(69)は「今まで経験のない湖の様子。4日は立春。御神渡りどころかこの冬は結氷すらなく残念な冬でした」。22日(土)に同神社で奉告祭、諏訪大社上社本宮で注進式を行い、結果を記した注進状を神前に奉告する。「たぶん『明けの海にて御神渡りござ無く候』と書く」と話した。
長野地方気象台によると、寒の入りした観察初日の諏訪の最低気温は氷点下6・1度、現地は氷点下7度だったが、最も冷え込んだのはこの日。1月中は最高気温が0度を下回る真冬日が一日もなかった。
3日午前6時半ころ、総代10人が集まり、宮坂宮司は「きょうも暖かいね」とつぶやき観察を開始。現地の気温は氷点下3・6度、湖中の水温は3・5度だった。宮坂平馬大総代(66)は「完膚(かんぷ)なきまでの明けの海。今までこんなことはなかった。明らかに温暖化で心配」と述べた。
観察は渋崎区の総代2人を「観察総代」として行われた。藤森雅史さん(62)は「毎朝起きて暖かく、薄氷が張るような気候ではなくがっかりした。任期は来年まで。凍ってほしい」。笠原清一さん(62)も「できれば氷の上に立ちたかった。初日寒かったのでこのまま凍ると思ったが、1月の気温ではなかった」と話した。
6日(木)から冷え込む予報だが「厳しい」と宮坂宮司は判断。「本格的な冬が来ることなく、春が来る一つの区切りと考えたい」として、日参した総代たちに「1カ月お疲れさまでした」と労いの言葉を掛けた。(写真は区切りを付けた3日の御神渡りの観察。岸から引き揚げる宮坂宮司ら)