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諏訪市博物館玄関に2本のまき 鬼惑わせる「十二書き」再現
2020年1月31日
諏訪市博物館の玄関に30日、線が引かれた2本のまきがお目見えし、来館者が「いったい何だろう」と不思議がっている。実は、諏訪地域では「十二書き」と呼ばれ、今では見る機会が少なくなった節分の伝統行事の再現だ。
「十二書き」は「鬼の目」とも言い、まきを縦に二つに割り、平年は13本、うるう年は12本の線を消し炭で書く。節分の前の晩、玄関や土蔵の入り口などに立て、中へ入ろうとする鬼が、その年の月数と違う数が書かれているため、年を間違えたと勘違いしているうちに夜が明け、鬼が家の中に入って来ない、と言い伝えられている。
近年では、こうした風習を行う家庭はほとんどなくなり、次の世代に継承されることなく、消えていくことが危惧される。伝統文化を貴重な民俗行事と捉える同館は「市民に少しでも知ってもらえたら」と初企画。玄関両側にまきを置くとともに、解説も加えた。
「鬼を惑わせた」後の2月4日(火)まで飾る。
(写真は諏訪市博物館の玄関に置かれた「十二書き」)