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指揮者の柳澤寿男さんにコソボ大統領勲章 音楽活動懸け橋に 

2019年12月18日

柳澤さん勲章受章191217
 民族間の対立が根強く残る旧ユーゴスラビアを中心に活動する下諏訪町出身の指揮者、柳澤寿男さん(48)=東京都国分寺市=が、コソボ共和国ハシム・サチ大統領から、日本人として初めての大統領勲章(文化功労賞)を受けた。旧ユーゴの紛争後、民族間の懸け橋として長年続けてきた音楽活動が認められたため。17日、町内で取材に応じ、「諏訪地域をはじめ、いろいろな人の協力のおかげで成り立っている活動。共に頂いた賞だと思っている」と喜びを語った。
 柳澤さんは2007年にコソボフィルハーモニー交響楽団の首席指揮者に就き、同年旧ユーゴの民族共栄を願ってバルカン室内管弦楽団を設立。アルバニア人、セルビア人、マケドニア人、ボスニア人ら旧ユーゴ諸国の音楽家が応じ、毎年国内外でワールドピースコンサートを開いている。
 勲章は、コソボと日本の外交関係樹立10周年を記念して国内の8個人・団体に授与。柳澤さんは二つのオーケストラを率い、文化芸術の発展や地域和平に貢献したとして選ばれ、11月下旬に、同共和国の駐日大使館で賞を受け取った。
 9月にはサチ大統領が来日し、天皇陛下と会見。柳澤さんの活躍に触れたことが報道され、「紛争から約20年がたつが、現地では対立していた者同士が声を大にして何かを言うのはまだ難しいのが現状。大統領が国代表として言及してくれたのは大きな意味がある」と実感している。
 昨年は、県内全77市町村の歌い手が参加する合唱団と、バルカン室内管弦楽団との共演も実現した。柳澤さんは「皆さんの応援が直接形になったことを伝えたい」と感謝し、「これからも共存共栄の大切さを音楽で世界に訴えていきたい」と話した。
(写真は、コソボ共和国の大統領勲章を受け取った柳澤さん)