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冬の風物詩ことしも 天出し作業始まる
2019年12月7日
茅野市の冬の風物詩、天然の寒天製造がことしも始まった。厳しい冷え込みと晴天率の高さを生かした地場産業で、原料のテングサを煮て固めた「生天」を干し場に並べ、凍結と融解を繰り返して乾燥させる作業が来年2月下旬まで続く。
宮川茅野の五味喜一商店では、6日から天出し作業がスタート。農閑期の田んぼに点在する約1・9ヘクタールの干し場を使って、1日1万6千本、シーズンを通じて例年並みの100万本の出荷を目指す。
冬の訪れに合わせ、東北地方や地元から15人ほどが集まり、朝8時ころに天出し作業を開始。天然角寒天を生産するのは諏訪地域だけといわれ、最近では、パンの代わりに角寒天を使った「寒天フレンチトースト」が流行するなど、低カロリーで食物繊維が豊富な食材として注目されている。
同商店の五味昌彦さん(61)は「昔は、おやつのゼリーだったが、今は健康食品として注文が多い。日本でここにしかない商品で、我々が作らないと忘れ去られてしまうという使命感がある」と話していた。
(写真は、「生天」を寒風と太陽にさらす天出し作業)