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北山小に「おでかけ美術館」

2019年9月5日

おでかけ美術館
 茅野市美術館は4日、出張教室「おでかけ美術館」を北山小学校で開いた。同館で開催中の展覧会の関連企画で、蓼科にアトリエを構える銅版画家の中林忠良さん(81)が来校。4年生24人と6年生20人が、地域ゆかりの芸術家の作品に触れ、身の回りの物の形を写し取るフロッタージュ(こすり出し)による創作にチャレンジした。
 市内小学校で「対話による鑑賞」を実践する巡回教室。学年を超えて8班に分かれた児童たちは、感想を話し合いながら銅版画を鑑賞した。中林さんは「世界は多様で違う見方があると、発想を展開する切っ掛けになる。自分で言葉にすることも大切」と語った。
 鑑賞後は、版画技法の一種フロッタージュに挑戦。木の板や葉っぱの上に紙を敷いて、クレヨンや色鉛筆で模様を写し、色画用紙に貼り合わせてカラフルな作品に仕上げた。拓本のように壁の凹凸を写したり、色を重ねて形を描いたり、児童たちはそれぞれの出来栄えを見比べた。
 4年の女子児童(10)は「秋っぽさと夏っぽさが合わさった感じを、色とか柄とかで表した。いつも見ている葉っぱでも、違う形に写し取れて面白かった」と話していた。
 中林さんの展覧会「中林忠良展 銅版画—腐蝕と光」は、8日(日)まで同館で開催している。(写真は、葉っぱや貝殻、クリップなどの形を写し取る児童たち)