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ドジョウに厄託し健康祈願 諏訪大社下社御射山社祭
2019年8月27日
数え年で2歳児の健康を祈願する諏訪大社下社御射山社祭が26日、下諏訪町原山地籍の御射山社と遙拝(ようはい)所を設ける秋宮で始まった。親子らが訪れて厄を託したドジョウを放ち、健やかな成長を祈っている。
諏訪大社の特殊神事の一つ。秋宮では初日、幼児を抱いた家族連れが次々に参拝した。神楽殿で厄よけ祈とうを済ませ、「ススキのように強く育って」と願いを込めた穂守りや、腹掛けなどを受け取った。
境内に設けた放流所では、祭りに奉仕する町民有志の古生会員が、幼児の名前を聞いたり、「人生最初の厄落とし」と声を掛けたりして、親子にドジョウが入ったひしゃくを渡した。放たれたドジョウはといを勢いよく泳ぎ、境内を流れる御手洗川に落ちた。
岡谷市長地梨久保の山田瀬奈ちゃん(1)は、母親の玲菜さん(26)ら家族3人で訪れ、ドジョウを見送った。玲菜さんは「元気に育ってほしい」と願い、11月に2人目の出産を控え「優しいお姉さんになってもらいたい」と目を細めた。
宮坂邦彦会長(80)は「古生会に入り、30年来、親子の様子を見守ってきた。健康第一でこれからも育ってほしい」と願っていた。
祭りはきょう27日まで。御射山社で午前9時から正午ごろまで、秋宮では午前9時から午後4時ごろまで厄よけ祈とうを受け付ける。初穂料は3000円。
御射山社祭は、五穀豊穣(ほうじょう)や天下太平を祈る諏訪大社の主要神事の一つ。近世になり、御射山社の鎮座地「原山」の地名から、人生最初の厄年を迎える幼児が腹を病まないようにと健康祈願が加わったとされる。
(写真は、ドジョウを放つ親子=下社秋宮で)