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川岸産ブドウのワイン3年目 収量倍増 新製品も誕生

2019年8月8日

190807三澤さん3回目ワイン完成*

 岡谷市内で醸造用のブドウ栽培に取り組む三澤智行さん(57)=川岸中=が、ことしも岡谷産のブドウだけを使ったワインを完成させた。収穫量は前回の倍となる240キロにまで増え、新たな品種で作った製品を開発するなど、取り組みは着実に進展。将来的には醸造も手掛け、畑を障害者の働く場や地域住民の拠点する考えもある。三澤さんは「軌道に乗せて、障害のある人もない人も一緒に関われるシステムをつくりたい」と話す。
  ワイン造りは障害のある長女が働き、自立する場所ををつくりたいと考えたことを切っ掛けにスタート。2013年から川岸中の遊休荒廃農地を開墾し、3カ所の計約9千平方メートルに8品種、約1500本が育つ。介護タクシー事業と並行し、ほぼ1人で栽培する。
 17年に初めて、伊那市のワイナリーで委託醸造。酒類販売業免許を取得して自宅で売り始めて3年目。ことしは赤と白の3種、リンゴのワインとシードルの計5品目が完成し、7日から販売を始めた。インターネット通販へ、近くホームページも立ち上げる予定だ。
 新製品は、15年に初めて植えた「ヤマ・ソービニヨン」を使った赤ワイン。フランスボルドー地方の「カベルネソービニヨン」と日本のヤマブドウの交配種で、渋味に加えて酸味が特徴という。「甘口のワインも欲しい」という声を受け、大栄町の生産者から購入したリンゴを使ったワインも完成させた。
 ブドウは収穫できるようになるまでに3年、成熟するには20年以上かかるという。三澤さんは「最初に比べればブドウの木もしっかりしてきて、味も変わった」と手応えを話す。今後、畑は3ヘクタールに広げて約7千本の栽培を目指す。小規模ワイナリーの設立を思い描き、種類製造免許の取得に向けても取り組む。
 秋には、長女の友人らを畑に招いて収穫などを体験してもらう予定。三澤さんは「障害がなくても、誰もが年を取れば体が不自由になる。そんな地域の人が集まれて、障害者も働く喜びを味わえる場所にしたい」と願う。
 ワインとシードルは1本360〜750ミリリットルで、価格は税込み1800円〜2700円。問い合わせは三澤さん(電090・4379・6886)へ。
(写真は新たに完成したワインと三澤さん)