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日本禁煙友愛会解散へ 高齢化や会員減少で
2019年7月10日 伊那市に本部がある一般社団法人日本禁煙友愛会は9日の常務理事会で、高齢化や会員減少により、金銭面からも会の維持が困難になったとして来年3月末の解散を正式に決めた。
同会は1955年、同市内の故小坂精尊さんが中心となり有志10人で設立。74年には社団法人化し、市街地への啓発看板設置、保育園・幼稚園、小中学校へ文房具やハンカチなどの物品寄贈、禁煙ポスターや標語の募集といった禁煙健康思想の普及活動、福祉施設への寄付、慰問の社会貢献活動を行ってきた。
ピーク時には、県内はじめ山梨県、東京都内などに組織した70近い支部に合わせて4万5千人の会員がいたが、昨年度末には38支部2600人まで減少した。会は自己資金で運営、旅行業も手掛けているが会員減少に比例し資産も減ってきたことから、ことし3月の総会で解散を決議した。
常務理事会終了後、行った会見で林宗吉副会長(70)=飯田市=は「昭和40年代は喫煙率80%近くだった。どこの家にも灰皿があり、もてなしの一つにもされ、日常の風景だった」と振り返り「昨今の喫煙率は18%と禁煙が進んできた。受動喫煙防止法の成立など一時に比べ喫煙が制限されてきたことも、会の一定の成果ではないかと自負している」と話す。
清水篤志会長(75)=南箕輪村=も「会自体の活動は有意義だったと感じている。今では受動喫煙に対する対策も徹底され、喜ばしいこと」としている。来年3月18日に解散総会、同6月末までに清算を予定。伊那公園に設置されている禁煙延命観音像、禁煙憲章の石碑は引き取り手を探している状態という。(写真は解散を報告する役員)