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旧中山道で伊能ウオーク

2019年3月28日

伊能ウオーキング
 江戸時代の測量家、伊能忠敬(1745〜1818年)が歩いた県内の道をたどる「信州伊能ウオーク」が27日、下諏訪町から岡谷市に至る旧中山道で行われた。日本で初めて実測による地図「大日本沿海輿地全図」を完成させた伊能忠敬の功績に思いをはせながら、街道沿いにある史跡などを巡った。4月17日(水)にも岡谷市から塩尻市に至る峠越えのコースで行われる。
 長野市などの北信地方から45人、下諏訪町や岡谷市などの地元から15人が参加。町屋敷公会所前で出発式を開いた後、木落し坂、注連掛(しめかけ)、諏訪大社下社春宮、万治の石仏、慈雲寺などに立ち寄り、江戸時代の商家のたたずまいを残す伏見屋邸で昼食の後、下諏訪本陣・岩波家、秋宮、高札場、相楽塚を経て、岡谷市長地の伊那街道分岐で解散する延長8・5㌔を歩いた。
 岡谷市文化財審議会長で諏訪総合設計代表の宮坂正博さん(70)=岡谷市大栄町=と同前審議会長の横山章さん(89)=岡谷市神明町=が案内役を務め、歴史的建造物や史跡に関する知識を深めながら、初春の街道ウオークを満喫。宮坂さんは「温泉が出て、諏訪大社下社の門前町で、繁華街でもあった。見どころがいっぱいあるコースであり、十分に楽しめると思う」と話し、中山道有数の宿場町として栄えた下諏訪の魅力を伝えた。
 伊能忠敬は第7次測量で1809(文化6)年9月23日、和田峠を越えて町に入り、下諏訪本陣などに宿泊している。滞在中、諏訪湖周の測量も実施。旧街道の整備を続けている下諏訪中山道を守る会の西村増夫会長(80)=星が丘=は、「バイパスが通ってコースが変わった場所もあるが、歴史をたどる面白い試みだと思う」と評価していた。
 伊能ウオークは、17年かけて全国を歩き、国土の正確な姿を明らかにした伊能忠敬の生き方に感銘し、第8次測量の帰途に北信を訪れた1814年から200年目の節目に合わせ、2014年から須坂市の市川美津夫さん(68)が始めた。
 趣旨に賛同する長野市などの10人で実行委員会を組織。県内行程約600㌔のうち、北信を中心に半分を歩き終え、昨年、旧中山道坂本宿(群馬県安中市)から和田峠を経て樋橋の浪人塚までたどり着いた。17日は午前9時半に岡谷市長地の伊那街道追分を出発。今井家住宅、鳴沢清水などを見学しながら、塩尻峠を越えてJRみどり湖駅に至る約10㌔に挑む。
(写真は、宿場町の風情を残す町内旧中山道を歩く参加者)