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諏訪湖「明けの海」平成で22回目 八剱神社で御渡り注進奉告祭

2019年2月24日

0223御神渡り奉告祭・笠原 のコピー

 諏訪湖の御神渡り神事をつかさどる諏訪市小和田の八剱神社で23日、諏訪湖御渡り(みわたり)注進奉告祭が執り行われ、神前に明けの海を奉告した。明けの海は2季ぶりで、平成に入って22回目となる。
 今季は1月6日の「小寒」から同神社の関係者が監視を始めた。10日の最低気温が氷点下9・5度となり、御神渡りの出現に必要とされる氷点下10度に迫ったが、翌日は氷点下2・9度と気温が上がった。厳しく冷え込む日が続かず、全面結氷にも至らなかった。
 奉告祭には同神社総代、古役、区長ら約50人が参列。宮坂清宮司が祝詞奏上で「小波打ち寄する明けの海にて御渡無御座候(みわたりござなくそうろう)」と奉告した。神事の後、精進潔斎で各戸の玄関先などを飾る予定だったしめ縄を境内でおたき上げした。
 宮坂宮司は「ことしの冬は暖かく、薄氷が張る程度で全面結氷すらなかった」と振り返り、「御神渡りの記録は、576年にわたって書き継がれている。明けの海は残念だが、『御渡り帳』に書きつなげたことは、意味のある貴重なことだと思う」と述べた。
 宮坂平馬大総代は「朝早くから観察できたことは、楽しい良い時間だった。温暖化にめげず、来年はもう少し諏訪湖に頑張ってもらいたい」と笑顔で話した。
 同日午後には、諏訪大社上社に注進状を奉納した。結果は諏訪大社を通じて宮内庁に上げ、気象庁に報告される。