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赤沢鉱泉行者小屋が遭対協に登山靴寄贈

2019年2月14日

遭対協に靴
 八ケ岳にある山小屋の赤岳鉱泉・行者小屋(柳沢太貴オーナー、茅野市)は13日、スイスの登山用品製造メーカー「マムート」の協力を得て、諏訪地区山岳遭難防止対策協会(遭対協)へ雪山用登山靴16足を寄贈した。年々増加傾向にある山岳遭難事故の厳しい現場に対応できるよう、高性能な登山靴を贈り活動を支える。
 同山小屋は遭対協山小屋班の一員として救助活動などに協力し、特に赤岳周辺では拠点にもなっている。救助する側にもきちんとした装備、特に靴が重要であると、登山道整備事業などに協力している同メーカーに相談して決めた。登山靴は1足8〜9万円相当で、アイゼン対応、スパッツ付きで軽く、氷点下25度まで対応できるという。
 同日茅野市役所で寄贈式が行われ、遭対協山岳救助隊の高橋政男隊長(58)は「八ケ岳の冬は寒さの厳しい場所で有名。高性能な靴を頂けてありがたい。有効に使って安全迅速な活動に役立てたい」と感謝した。遭対協には現在約200人ほど登録しているが、主に救助に出動するメンバーに希望を取り、個人へ貸与するという。
 自身も遭対協メンバーとして救助活動に携わっている柳沢オーナー(31)は「厳冬期の救助活動は特に大変。暖かく動きやすい靴。安全に活動できると思う」と話していた。
 茅野署によると、昨年の同署管内の山岳遭難は、開署以来最多となる34件発生。冬は都心などからアプローチが近く、多くの人でにぎわう場所になっている。同山小屋などによると、今月9〜11日の3連休には赤岳周辺だけで約400人が入山。11日には事故が1件発生し、県警山岳遭難救助隊と遭対協が出動した。(写真は雪山用登山靴を高橋隊長に寄贈する柳沢オーナー)