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辰野町消防団 操法・吹奏大会取りやめに
2019年2月13日
辰野町消防団は、消防技術の向上などを目的としたポンプ操法、ラッパ吹奏の両大会をことしから取りやめる。数カ月に及ぶ大会に特化した訓練を見直し、より実践に即した内容に改めるため。11日に開いた町消防委員会で古村幹夫団長が「大会負担は大きく、操法の意味をもう一度見直したい」と説明した。
団員確保の厳しさを受け、消防団の在り方については町消防委員会が昨年10月、団員負担を軽減する行事の見直しなどを含めた意見を町へ答申。各分団で団員に意見聴取などをして検討を進め、大会の取りやめは2日の分団長会で決めた。
町によると、定員496人を充足していた団員数は本年度493人。大会に向けた早朝や夜の訓練がネックの一つになっているとし、近年は1週間に最大5日とする時間短縮や隣接分団と合同チーム編成の協力体制を取るなど、団員の負担軽減を図ってきた。
一方で建造物の構造が変化し、大会で目指す「一秒でも早く火を消す」戦術が必ずしも現場に生かされなくなっている。常備部の充実もあり、側方・後方支援が確実にできる体制を整えるため、大会用でなく、時間を有効に使った訓練に移行したいとした。
大会は毎年6月に開き、全国出場などの成績も上げてきた。委員からは技術習得の役割や寂しさを挙げる声も出たが「団員に負担をかける反面、団員同士の絆を深める活動でもあった。現実的に難しいとなれば仕方ない」(小林良輔委員長)など、多くが理解を示した。
今後、団員が集まりやすい時期に、集中した訓練などを検討し、上伊那大会へは運営で協力する。古村団長は「期待が大きい分、その負担もある。バランスを見極め、地域防災に関わる人を増やし、長期的に安定して活動できる消防力を固めていきたい」と述べた。
(写真は、大会取りやめの経緯が説明された消防委員会)