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岡谷蚕糸博物館資料 農水省ホームページで公開
2018年12月28日
製糸の歩みを後世へ
蚕糸博物館関係資料をデジタル保存
農水省HP「明治150年」で公開
岡谷蚕糸博物館が収蔵する蚕糸の関係資料179点が初めて、デジタルアーカイブ(文化資源をデジタル化した記録保存)された。明治元年から起算し、満150年を迎えたことを記念して農林水産省が同省ホームページ内に開設した「明治150年」で公開。日本の近代化をけん引した産業の歩みを、蚕具や繰糸機の変遷などと共に後世へ伝える。
ページ内では、明治以降の農林水産業の歩みを振り返り、未来を切り開く知恵や手掛かりを得る契機となるよう蚕糸のほか、さまざまな分野の関連資料をまとめた。
同館には1年ほど前に協力の打診があり、収蔵する約3万点の中から職員がピックアップした。
内訳は民俗資料163点、錦絵13点、出荷する生糸に付けた商標3点。明治を中心に江戸末期から昭和まで、輸送用に使われた繭籠や麻製の繭袋、胴繰りや牛首といった糸取りの道具、フランス式繰糸機など蚕糸の草創期から隆盛を極めた歴史まで順番に見られる。
農水省の委託業者が8月に来館し、1カ月かけて撮影した。いろいろな視点から撮ることで、ホームページでは蚕具や繰糸機が立体的にイメージできるようになっている。いずれも県重要民俗文化財などに指定されている。
髙林千幸館長は「今残しておかなくては、雲散霧消になってしまう中でまとめていただいたことは意義深い」と感謝するとともに、「来年からは、データを活用してこれまでなかった図録作りなどに生かしたい」と語る。
写真=農水省の特設ページで公開されている蚕糸関連のデジタルアーカイブ