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八ケ岳登山口に冬山相談所開設
2018年12月23日
茅野署と諏訪地区山岳遭難防止対策協会は3連休初日の22日、八ケ岳連峰登山口の美濃戸口と奥蓼科に登山相談所を開設した。この日朝の美濃戸口は、時折小雨がぱらつくはっきりしない空模様だったが、連休を山で過ごそうと訪れた県内外の登山者に、冬山への注意を呼び掛けた。
八ケ岳山荘前では遭対協と県警救助隊の署員らが計画書(登山者カード)の提出を求め、登山道の積雪状況など登山者の問い合わせに応じた。またサプリメント、単独登山者には非常用のライトが付いたホイッスルと啓発グッズも配布し、安全な登山への喚起を促した。
関係者の話によると、南八ケ岳周辺の積雪はこの日までに10~20センチ程度。単独で赤岳に登るという川崎市の男性(38)は「冬山は1年のブランクがあったため、先週は北横岳にも登り状況を確認した。寒さと風対策をしっかりしてきたが、いずれにしても無理しないように登りたい」と話していた。
ことし同署管内で発生した山岳遭難は20日現在で32件と、既に2002年の開署以来最多だった昨年の同数となっている。過去5年間の遭難のうち冬山(12~3月)が約35%を占め、氷の壁を登るアイスクライミングの登山者の滑落も増えているという。冬の八ケ岳は冬山の入門・トレーニングの場所として紹介されることもあるが「過信せず装備をしっかりと、無理のない計画で登ってほしい」と呼び掛けている。
登山相談所は30(日)31(月)両日にも開設。30日から元日(火)までは、県警山岳遭難救助隊と遭対協による赤岳周辺の山岳パトロールを行う。年明けには山小屋相談所も開き、アイスクライミング事故の防止なども啓発していく。(写真は登山計画を確認する遭対協相談員と救助隊員)