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ドローンでカラス追い払い 被害軽減へ実証実験  市が渋崎の果樹園で

2018年10月6日

1004ドローンでカラス追い払い・笠原
 諏訪市は4日夕、市内果樹園でのカラスなどによる被害の軽減に向け、小型無人機「ドローン」を活用した追い払いの実証実験を、渋崎の笠原果樹園で行った。ドローンパイロットの養成講座などを手掛ける、スカイシープロジェクト合同会社に委託。紫外線を屈折させてカラスに不快感を与えるプレートを取り付けたドローンを果樹園の上空に飛ばし、効果を検証した。
 実験は、同社が市に持ち掛け、果樹園の笠原清一さん(61)が協力した。市によると、鳥類による果樹への被害は毎年50万円ほど発生。笠原さんの農園では、鳥よけの網を張ったり、猛禽(もうきん)類に見立てたカイトを飛ばしたりして対策を講じているが、収穫前のリンゴへの被害が近年増えているという。
 実験では、広さ約50アールの農園上空にドローンを飛ばし、一帯を飛行。リンゴの木にドローンが接近すると、近くにいたとみられるカラス3羽が飛び立っていくのが確認できた。同社によると、ドローンに取り付けた特殊なプレートでカラスに違和感を与え、「嫌な場所」と認識させることで追い払えるという。
 笠原さんは「ドローンは広範囲を一気にできるのが強み。1日中追い回すのは難しいと思うが、『嫌な物』という感覚をカラスに植え付けられれば、効果は期待できる」と話した。実験はリンゴを収穫する11月中旬まで続け、有用性を検証する。

写真=農園の上空を飛ぶドローン