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市博物館収蔵の押し花、押し葉  「国内最古」と判明

2018年8月5日

押し葉、押し花

 諏訪市博物館収蔵の押し花、押し葉が、国立科学博物館(東京上野公園)の調査で、採取した年月日や場所、採取者の記録がある日本産植物資料としては「国内最古のものと確認された」ことが分かった。9日(木)に科学博物館で両館の共同発表が行われる。
  市博物館によると、4代高島藩主忠虎の家臣だった渋江民右衛門古伴が、約300年前の江戸時代中期に採集した桜の花や葉、松の葉など25組。採集地は現在の大阪府や滋賀県のものが13点あり、年代が明らかなものでは1719(享保4)〜1924(同9)年。押し葉を包んだ和紙に、採集地などが記載されていた。
 渋江家は、忠虎から藩士に取り立てられて以降は、小姓や用人役などを務め、百三十石をあてがわれた。2017年10月、渋江家の子孫から甲冑(かっちゅう)などと合わせて、市博物館へ寄贈された。資料整理の中で押し葉などを確認、5月ごろに科学博物館へ調査を依頼した。
 市博物館の中島透学芸員は「採集記録が300年間保存されたことがとても貴重なこと」と話し、発表当日には採集のいきさつなども公表する予定。(写真は、日本産植物資料としては「国内最古」と確認された押し花、押し葉=諏訪市博物館提供)