NEWS

諏訪市博物館で企画展「諏訪の甲冑」

2018年7月14日

甲冑展180703
 諏訪市博物館で、第81回企画展「高島藩の甲冑(かっちゅう)」が開かれている。藩主のほか、家老家や藩士家に伝わる14点の甲冑をはじめ、製作にかかわる文書などを展示。8月26日(日)まで、江戸時代の高島藩の甲冑様式や勇壮な姿を紹介する。
 9代藩主の諏訪忠誠所用と推定される甲冑(江戸時代後期)は、前立に金銅の梶(かじ)の葉紋金物と、「日本第一軍神」の文字を据えた梶の葉金物の2種類が付属し、交換できる仕掛け。金工、漆、皮革、染織などいずれも丁寧な作りになっている。
 藩士のものでは、矢嶋家に伝わった甲冑は、藩の兵具方(武具、甲冑の管理、手入れをする役割)の河西家に入門し約10カ月かけて作ったとされる。1864(元治元)年、水戸浪士と高島・松本両藩が戦った和田嶺合戦で着用されたという。
 安土桃山時代、大祝(おおほうり)の諏方家に伝わった胴丸もある。中世の伝統的なものから、近世の当世具足に移行する過渡的な様式を持ち、「諏訪小太郎着用」の伝承から、初代藩主の諏訪頼水かその父頼忠の着用とも考えられるという。
 展示では、歴史や着方などを習得した証しの免状、手入れに必要な材料の見積書なども見ることができる。
 月曜日、祝日の翌日は休館。入館料は一般500円、小中学生150円(諏訪地域の小中学生は無料)。問い合わせは同館(電0266・52・7080)へ。
(写真は藩主所用と見られる豪華な甲冑)