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「星降る中部高地の縄文世界」日本遺産に認定

2018年5月25日

日本遺産
 文化庁は24日、諏訪6市町村を含む長野、山梨両県の14市町村が共同申請した「星降る中部高地の縄文世界—数千年を溯(さかのぼ)る黒曜石鉱山と縄文人に出会う旅—」の日本遺産認定を発表した。公民協働で縄文を生かしたまちづくりに取り組む茅野市では、市役所に懸垂幕を掲げて吉報を祝った。
 日本遺産は文化財や伝統文化を通じた地域活性化を目的に、その歴史的経緯や特色を語る「ストーリー」を認定するもの。県内では2016年の木曽郡6町村と塩尻市「木曽路はすべて山の中〜山を守り 山に生きる〜」に続き2件目となる。昨年も八ケ岳山麓の縄文文化発信に向け登録を目指したが落選し、2度目の挑戦だった。
 ストーリーは窓口の長野県教育委員会が構成市町村と一緒にまとめた。八ケ岳を中心とする中部高地には縄文時代の黒曜石鉱山があり、そのかけらが輝く森は「星降る里」として言い伝えられてきたこと、「日本最古のブランド」である黒曜石が最高級の矢尻の材料として日本各地にもたらされたことなどを語り、「土器や土偶を見ると縄文人の高い芸術性に驚かされ、黒曜石や山の幸に恵まれて繁栄した縄文人を身近に感じることができる」と紹介している。
 日本遺産に認定されると、魅力発信のための国の補助金が3年間で7千万円ほど交付される。県と構成市町村は今後、合同の協議会を立ち上げ、活用方法を検討する。 
 茅野市役所の懸垂幕は縦13メートル、横1・1メートルで、ストーリーの一端を担う国宝土偶「縄文のビーナス」「仮面の女神」の写真も入れた。柳平千代一茅野市長は「市の縄文プロジェクトにとっても追い風になる。今後は縄文を通じた広域的な活動が構成市町村と共に進められることを願う」とコメントを出した。
 認定証交付式は同日、都内のホテルで行われ、茅野市からは樋口尚宏副市長が出席した。(写真は日本遺産認定を祝い茅野市役所に掲げられた懸垂幕)