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災害防いで—ドングリに願い 上の原小児童が育てた苗木植樹
2018年4月22日
2006年7月の豪雨災害で被災した、岡谷市長地出早の上の原小学校裏山で21日、児童がドングリから育てたクヌギが植樹された。横川区主催の植樹事業に合わせ、みどりの少年団有志10人が作業。早く大きくなって災害を防いで—と願いを込めた。
校舎内や体育館に土砂が流入し、大きな被害を受けた同校では、この時の記憶を風化させまいと、5年時に現地学習した内容を全校集会で発表。総合学習やクラブ活動でフィールドワークも行っている。2年時に近くの梨久保遺跡で採取したドングリを育て、4年時に畑に植え替える「どんぐりプロジェクト」も、災害を語り継ぐ活動の一つとして取り組む。
今回は、80㌢ほどになった苗木30本を用意。子どもたちは学校北側の斜面に、地域の人の手を借りてスコップで穴を掘ってもらうと、丁寧に植えていった。地元住民有志の横川里山の会の活動の中で植樹したことはあるが、区の事業に参加して行ったのは初という。
6年の女子児童(11)は「私の生まれた年に災害が起きた。クラブ活動でもよくここに来るけれど、楽しい場所。私たちがドングリから育てた木を植えることで、元の山に戻すことができたら」、曽根原義治校長は「自然の中での異世代交流で、地域を愛する気持ちを育んでほしい」と話していた。
この日は、横川区役員や横川里山の会、林野委員会、もみじの里づくり委員会役員ら約50人が参加。桜、ツツジ、サツキ、モミジや、実のなるアケビ、ラズベリー、クルミ、ヤマブドウなど合わせて150本を植え、災害に強い里山と区民の憩いの場所づくりを目指した。
(写真は、ドングリから育てたクヌギを植える上の原小児童ら)