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「たつの未来館」完成
2018年3月30日
辰野町が旧荒神山ウオーターパーク管理棟を改修して建設を進めていた「たつの未来館」(愛称・アラパ)が29日完成し、業者から町に引き渡された。長年の懸案だった旧プールの建物が、ボルダリングルームや多目的スタジオ、蛍ミュージアムなどを備えた新たな体験型施設へと生まれ変わり、子どもや若者を中心としたにぎわい創出の拠点として期待される。オープンは5月下旬の予定。
鉄筋コンクリート2階建て、延べ床面積1039平方㍍。2020年東京五輪の正式種目になったスポーツクライミングの一種、ボルダリングは「初心者・中級者向け」と「上級者向け」の2ルームを設置。伊那の谷と森をイメージした趣向の異なる装飾で、まるでテーマパークのよう。定期補修時に専門業者にホールド(突起)の位置を変えてもらい、飽きずに楽しめるよう工夫する。
このほか、太鼓やダンス、トレーニングなどに使用できる多目的スタジオ、カフェコーナーなどを設置。屋上には、足で地面を蹴って進む幼児向けの二輪遊具「キックバイク」が楽しめるアクティビティテラスを設ける。蛍の研究施設と、育成保護に関わる資料などの展示コーナーも併設し、〝ほたるの町〟を発信する。
設計、施工の総事業費は2億7169万円。このうち75%が地方創生拠点整備交付金として国費で賄われる。
運営委託事業者は「公募型プロポーザル方式」を経て、町内の事業者に決まった。曜日や時間帯で分け、事業者のスタッフや地域おこし協力隊など、2人(繁忙期3人)が常駐する計画だ。
竣工(しゅんこう)検査に立ち会った山田勝己副町長は「旧管理棟が見違えるほど変わったことに驚いている。多くの人に使用してもらい、愛される施設になってほしい」と期待していた。
ウオーターパークは1991年にオープンしたが、利用者の減少に加え、施設老朽化に伴う修繕や下水道工事の必要性が生じることなど財政負担が大きいことから2004年に休止した。
プール部分については安全対策を施し、活用方法を検討していくという。
(写真は、竣工検査でボルダリングルームを見て回る副町長ら)