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泉野下槻木で「穴倉開き」

2017年12月11日

穴倉開き
 茅野市の泉野ふる里づくり推進協議会は9日、泉野下槻木で「穴倉開き」を行った。かやぶき屋根のふき替えが進む穴倉に住民ら約30人が集まり、いろりを囲んで地域の懇親を深めた。来年3月ころまで、冬場の作業と交流の場として利用していく。
 穴倉は農閑期の冬に開く半地下式の伝統的な共同作業場。かつては山浦地方に数多く存在し、わら細工作りなどが行われていた。下槻木の穴倉は2009年の火災で焼失した後、同協議会を中心に再建。本年度から2年計画で屋根の全面修復作業を進めている。
 穴倉運営委員会の平澤治会長(79)は「屋根の半分は上手にふけて、20年、30年保つようにこしらえていただいた。またゆっくりでできるように」とあいさつ。伊藤幾文推進協議会長(60)が「寒い中ご尽力いただき、ありがとうございました。来年も元気に迎えられるように」と乾杯し、おでんやもつ煮を楽しみながら地域の絆を確かめた。
 屋根のふき替えに当たる富士見町のかやぶき職人は作業中に穴倉で寝泊まりすることもあったという。「通気性が良くて、寒いけれどすごく楽しく過ごせた」と話し、「いい経験をさせていただけてありがたい。見学に来た小学生が夕方に遊びに寄ってくれた。いい建物なので、今後も皆さんに愛されれば」と語った。
 一般開放期間中は、運営委員会や地域住民がしめ飾りや門松を作っていて、見学や制作体験ができる。開放時間は午前9時から午後4時ころまで。不在の場合もある。
 問い合わせは泉野地区コミュニティセンター(電0266・70・1606)へ。(写真は穴倉で歓談する住民たち)