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鎌倉武士さながら 旧御射山神社で御狩の神事
2017年8月28日
霧ケ峰高原にある旧御射山(もとみさやま)神社で27日、例祭「御射山御狩(みかり)の神事」が開かれ、土地を所有する上桑原牧野農業協同組合(伊藤洸一組合長)や関係団体らが農作物の豊作や安全を願った。甲冑(かっちゅう)演武も奉納され、鎌倉時代には武技を競ったとされるかつての大祭に、参加者たちが思いをはせた。
同組合が主催し、森林組合、関係牧野組合などの霧ケ峰に関わる各種団体の代表が出席した。宮坂清宮司の神事で、代表がサカキにススキの穂を添えた玉串をささげた。
宮坂宮司は「ここは諏訪信仰の原点。こんこんと湧く水があったからこそ、鎌倉時代には5日間に及ぶ大祭ができた」と話し、当時の様子を伝えた。伊藤組合長も「歴史と伝統のある祭りが盛大にできたことに感謝する」と話した。
2014年から始まった神にぎわい奉納行事も行われた。新陰流兵法転(まろばし)会諏訪支部長の男性(38)ら6人が甲冑(かっちゅう)を身に着け、2人1組になって披露。ほこらの前で繰り広げられた気迫のこもった立ち回りを、参加者たちも息を殺して見守った。
旧御射山一帯は、下社大祝金刺氏の禁猟地で、太古から御射山祭が行われていたという。特に鎌倉時代には全国的な大祭として、旧暦の7月26日から5日間にわたり行われ、集まった武士らはススキでふいた穂屋にこもり、小笠懸(こがさかけ)、相撲、武射競馬(くらべうま)などで武技を競ったとされる。江戸時代中期、下社秋宮近くの山中に祭場が移された。
(写真は、神社前で甲冑演武を奉納する転会)