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「怪物」特別展 盛況続く 諏訪湖間欠泉センターに国内外1万4000人

2025年4月21日


 諏訪地域を主に撮影された是枝裕和監督の映画「怪物」(2023年)の特別展が、諏訪湖間欠泉センター(諏訪市)で開かれ、今なお盛況だ。カンヌ国際映画祭で脚本賞を受け、190カ国で公開されたこともあり、4月11日時点で海外来訪者は900人超、国内を合わせると1万4000人以上に。公開から1年10カ月がたった現在も人気は衰えることなく、訪れる人に作品の魅力を伝えている。
 展示は昨年6月にスタートし、当初は2月28日までの予定だったが、予想を超える反響があったことから期限を設けずに延長した。
 1階はクライマックスで登場する廃線路の様子や旧城北小学校(諏訪市)の教室、音楽準備室を設置し、作中にいるかのような演出で迎える。壁面は約100枚のスチール写真を掲示し、物語の世界へいざなう。
 2階は主人公2人の秘密基地となり、本編ではカットされた夜の廃電車のシーンを再現した。撮影で使われたおもちゃや電車の座席、本編で一部しか見ることのできなかった2人の作文の実物も公開し、随所に2人のせりふも掲示。更に、劇中で流れた故坂本龍一さんの音楽が見た人の記憶を呼び起こす。
 諏訪圏フィルムコミッション(FC)によると、短文投稿サイト「X(エックス)」(旧ツイッター)の発信のみで韓国や台湾、フィリピン、ブラジル、欧州などさまざまな国からの来場につながっているという。FCの宮坂洋介さん(46)は「地域やファンの人に喜んでもらえるよう2、3周年と続けていけたら。怪物に続く傑作が諏訪地域から生まれるためにも、フィルムコミッションとしてこれからもしっかり誘致していきたい」と意気込む。
 展示は不定期で更新しながら続ける。入場無料。開館時間は午前9時〜午後6時。年中無休。問い合わせはFC(電0266・52・4141)へ。
(写真は、諏訪湖間欠泉センター内の特別展の一画)