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初公開の原画も イルフ童画館で絵本作家出久根育さん企画展
2025年4月19日
チェコ在住の絵本作家、出久根育さんの作品を集めた企画展が、イルフ童画館で開かれている。初期の銅版画や初公開となる最新作の絵本原画など約150点を並べ、約30年の画業の中での絵の変遷や変わらない独自の世界観を発信している。6月16日(月)まで。
出久根さんは東京都に生まれ、武蔵野美術大学卒。1994年に絵本「おふろ」でデビューし、2002年に同国に移住して中東欧の風土を取り入れた作品を発表している。03年には、グリム童話「あめふらし」がブラチスラバ世界絵本原画展で、最高賞のグランプリに輝いた。
最新作の絵本「もりのあさ」からは、原画10点を初公開。近年力を入れているという絵、文を共に手がける「創作絵本」の一つで、女の子が早朝の森に出かけて自然の中を歩く様子を描く。「好きな自然の一部を読者にも見せたい」(出久根さん)との思いで制作したという。
本展は、吉祥寺美術館(東京都)で23年度に開かれた展覧会「チェコからの風 静寂のあと、光のあさ」の巡回展で1カ所目。会場には、あめふらしや06年に日本絵本賞大賞を受けた「マーシャと白い鳥」、児童文学作家わたりむつこさんと組んだ絵本「こうさぎ」シリーズなどの代表作も並ぶ。
出久根さんは「幼年向けから難しいものまであり、絵の中に発見があるので見て楽しんでほしい」と話す。イルフ童画館では「変遷はあるが全作品を通じて個性満載」とアピールする。
開館時間は午前9時〜午後6時(受け付けは5時半)。水曜休館。入館料は一般520円、中高生310円、小学生160円。問い合わせは同館(電0266・24・3319)へ。
(写真は、出久根さんと初公開する最新作の原画)