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箕輪進修高3年の生徒 ポルトガル語で防災啓発動画
2025年4月3日
箕輪進修高校3年の藤沢カウエ勇志さん(17)とササイ・ファビオ・マモルさん(17)は、ポルトガル語で防災の基礎知識などを紹介する啓発動画を作成した。ブラジルにルーツを持つ2人ならではの視点で、大地震が起きたときに取るべき行動や備えなどを、約12分の動画に分かりやすくまとめた。2人は「地震などへの知識がまだない外国ルーツの人や旅行者など多くの人に見てもらえたら」と話している。
2人は共に日本での生活が長く、日本語もポルトガル語も堪能。動画の制作は、外国ルーツの住民のサポートなどをする「多文化LIFE」代表の入倉眞佐子さんから、県国際化協会の補助金を活用し「防災啓発の動画を作ってみては」と提案を受けたことが切っかけで、昨年8月から開始した。
ササイさんが台本作成や出演、動画編集を、藤沢さんが字幕表示する日本語訳の確認などを主に担当。町などが開く災害多言語支援センターの訓練に参加した経験なども踏まえて内容の検討を重ね、3月末に完成した。
大地震が起きたとの想定で主人公と一緒に取るべき基本的な行動を確認していくストーリー。防災グッズの紹介では、日本の冬をしのぐためには防寒用品が欠かせないことや、在留カードなど身分証明書の必携など、2人だからこそ気付くポイントも盛り込まれている。避難場所の説明では、町内の施設を具体的に写真で紹介しながら、外国人住民には分かりにくい「避難所」と「避難場所」の違いも解説する。
後半では、備蓄や避難場所の確認など事前の準備について「今はあまり必要性を感じないかもしれないが、災害時にはとても役立つ」と訴えるほか、外国人支援の研修の場面を交えて「ボランティアに関心を持ってほしい」と呼びかける。
藤沢さんは「どの情報を入れるか選ぶのが難しかった」と振り返り、「動画を作ることで自分自身の災害に対する知識も深まった」と話す。ササイさんは「外国人コミュニティーの皆さんにちゃんと見てもらえるものになった」と出来栄えに胸を張る。
入倉さんは「想像の何倍も素晴らしい作品を作ってくれた。外国ルーツの人向けの防災ガイダンスなどで活用していけたら」と話した。
動画は、町ホームページなどに掲載される予定。
(写真は、動画を紹介するササイさん=左=と藤沢さん)