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諏訪湖「明けの海」7季連続 御神渡り観察終了

2025年2月12日


 諏訪湖の「御神渡り」の認定と神事をつかさどる八剱神社(諏訪市小和田)の宮坂清宮司(74)は11日早朝の観察後、「きょうは最終的な氷の顔を見た。昨日まで全面結氷していたが、自然は正直。現実はほとんど波が出ていて、あしたの雨を見ずに(明けの海を)判断した」と御神渡りが出現しない「明けの海」を宣言した。明けの海は7季連続。「小寒」の1月5日から、宮坂宮司と氏子総代が38日間にわたり続けた583年目の観察はこの日で終了した。
 宮坂宮司によると、明けの海は記録が残る室町時代の1443年(嘉吉3)から数えて81回目で、平成以降では28回目。戦国時代の1507(永正4)年〜14(同11)年の8年連続に次ぐ2番目に長い記録という。
 波で氷がきしむ音に「名残を惜しむような悲しい音に聞こえる」と寂しさを口にしつつ、宮坂宮司は「寒波が来て氷が張り、気温が上がると寄せられた氷しか残らない、そういう繰り返しだった」と振り返り、「氷点下10度にはなかなかならなかったが、立春以降、こんなに盛り上がったことは経験になかったし、全面結氷している姿を見ただけでも良かった」と所感を述べた。
 観測開始以降、氷が張ったり、解けたりの一進一退を繰り返した諏訪湖。大半は氷のない日が続いた。立春を過ぎ9日にはほぼ全面結氷し、10日には今季初めての氷が裂けたと思われる筋が確認された。
 最終日の午前6時半過ぎ、観察場所の諏訪市豊田の舟渡川河口付近の気温は氷点下3.8度、水温は1.6度、風速1メートルの快晴。岸辺には厚さ1.5ミリ〜4.5ミリの氷が確認できたものの、前日確認された全面結氷は縮小し、沖合約50メートルほどから湖心へ向かっては解け、波が氷に寄せていた。
 岡崎広幸大総代(63)は結果に肩を落としつつも、「来る人と触れ合いながら、総代みんなで仲良く観察できたことが何より良かった」と笑顔で振り返り、「長い歴史を背負い、その重責や歴史の一点に携われたことが誇らしい。来季も皆さんと再開し、次こそは一緒に御渡りを拝みたい」と述べた。宮坂宮司は「朝日が頰に当たり、氷も波も考えながら、姿が消えていくのかな。自然が、諏訪湖が、氷が人々の心を魅了しているのだなと感じた。いろいろな思いが込められた冬だったし、充実した観察だった」と締めくくった。(写真は観察後の会見で「明けの海」宣言する宮坂宮司=中=)