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上社里曳きが開幕、8本の御柱再び躍動

2016年5月4日

*前宮二

 諏訪大社上社御柱祭里曳きが3日、華やかに開幕した。約1カ月の休息を経た氏子たちの熱気も再燃。風が強く肌寒いなかでも「よいさ、よいさ」と声を合わせて、茅野市宮川安国寺の御柱屋敷から巨木を動かした。初日は全ての柱が予定の場所まで到達。きょう4日は前宮で4本の建御柱が行われるほか、本宮の4本は境内に曳きつける。
 御柱屋敷には、早い地区で午前4時ころから氏子たちが集まり、めどてこや元綱の取り付け作業に取り掛かった。午前7時15分ころ、本宮一の柱を皮切りに安全祈願の綱渡りの神事が行われ、曳行を開始した。
 本宮までの距離は2.4キロ、前宮までは1.3キロ。初日は本一が県道と東参道のわかされ手前に予定より20分早く到着、本二は権祝邸手前、本三は高部、本四は高部東信号で、午後4時ころ曳行を終えた。前一〜四は1時間半以上出発時間が遅れたのが影響。急坂を曳き上げる難所を越え、午後7時前に全ての柱が建御柱位置に曳きつけられた。
 勇ましい山出しと異なり、華やかさが特徴の里曳き。長持、花笠踊り、太鼓、子どもどじょうすくいなど各種団体の出し物があちこちで繰り広げられ、沿道は祭り絵巻一色に染まった。
 初日は山の神が宿るとされる「お舟」を担いだ「御柱迎え」の行列もあり、慣例により黄衣姿の茅野市泉野中道の氏子が舟を担いで本宮を出発。しずしずと進み、午前10時38分ころ下馬橋付近で本一の柱と出会った。
 氏子たちはめどてこから降りて脱帽、手袋を取って出迎えた。拝礼の後、本宮へ戻る舟には氏子たちが次々とさい銭を投げ入れ、拝んでいた。本宮では御柱大祭(みはしらたいさい)の神事を営んだ。
 御柱を先導する騎馬行列では、神宮寺騎馬保存会が伝統の「出陣騎馬」の所作を披露。男児扮(ふん)する殿様を中心に長柄槍(ながえやり)、御箱など約70人が行列をつくって練り歩き、芸傘、草履取りは所々で見事な技を見せ拍手喝采を受けた。大鳥居越えや騎馬落しの場面は、一目見ようとする観衆で周囲がいっぱいになった。
(写真は、曳行路を進む前宮二の御柱)