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伝統のリンクに歓声 下諏訪町6年ぶりに「氷上祭」 親子など 約150人参加

2025年1月20日


 下諏訪町教育委員会は19日、「氷上祭」を諏訪大社下社秋宮近くにある「ふれあい広場秋宮スケートリンク」で開いた。氷の上でさまざまな競技を楽しみ、諏訪地方でも珍しくなった天然リンクに親しんでもらった。暖冬や新型コロナウイルス感染症の影響で、2019年以来6年ぶり。 未就学児から中学生までの親子など約150人が参加。開会式の後、ジャンケンスケーティング、そり引き、氷上ボウリング、障害物競走のほか、「下駄(げた)スケート」体験会などが行われた。
 このうちジャンケンスケーティングは、じゃんけんに負けた人が勝った人の後に付き、ムカデ競走のように徐々に列を連ねていくゲーム。氷上ボウリングは漬物の重しを、カーリングストーンのようにピンめがけて投げた。ストライク一番乗りを果たした長地小5年生の児童は「(氷で滑って)曲がっちゃったりするから、力強く投げようと思った。とてもうれしい」と満面の笑顔だった。
 下駄スケート体験会は、23年1月に町が所有する「諏訪の下駄スケートコレクション」が国の登録有形民俗文化財に指定されて以降、同祭では初めて実施。レプリカの下駄スケートを使って行われ、真田紐(ひも)で足にスケートを固定してもらった小学生らが挑戦した。下諏訪南小5年生の児童は「(靴のスケートに比べて)足首がぐらぐらして安定しない。すごく滑りにくい」と感想。「ふらふらしてうまく滑れない」とベンチに引き返す子どもが目立った。
 秋宮リンクは1909年、諏訪湖水滑会と有志が開設。大正時代には日本で初めてフィギュアスケート、アイスホッケーの試合、戦前の37(昭和12)年には第1回全日本カーリングオープン選手権が開かれた歴史を誇る。秋宮の社そうが日差しを遮り、天然氷が解けにくい環境を形成しているが、近年の温暖化で管理に苦労している。
 一般開放は2月11日(火=祝日)までの毎日、午前8時〜11時半まで。入場、貸しスケートは無料。(写真は、ジャンケンスケーティングで列になって滑る子どもら)