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諏訪大社筒粥神事「世の中」三分六厘

2025年1月16日


　諏訪大社の筒粥（つつがゆ）神事が、14日夜から15日朝にかけて下社春宮で執り行われ、ことしの農作物の豊凶と世相を占った。「世の中」の神託は、五分満点で昨年と同じ「三分六厘」。大社では「災害のない、気候の不順もない、穏やかな一年になれば」と願った。
　「諏訪の七不思議」の一つに数えられる特殊神事。43種類の農作物名と「世の中」を記したヨシの茎44本を束ねた「御束」を、白米と小豆、水が入った釜で夜を徹して炊き上げ、茎に入った粥の量などで、農作物の出来や世相を占う。
　14日夜には、村上益弘権宮司ら神職が筒粥殿に入り、木の棒を両手でもむ「切り火」で火を起こしていろりに釜をかけ、大祓詞（おおはらいし）を繰り返し唱えた。15日早朝、町内大総代らが参列して神事が行われ、神職がヨシの茎を１本ずつ割り、粥の状態を見て農作物の作況と世相を占った。
　農作物は「上」が13（昨年20）「中」が25(同21）「下」が５（同２）で、上が減って中と下が増えた。「上の上」は大麦、ササゲ、諸ウリ、唐辛子の４（同８）種類。昨年、カメムシの被害に見舞われたリンゴは「下の上」だった。
　占いを担当した神職は「筒の中に粥がきれいに入っていたので、世の中は昨年と同様三分六厘にした。農作物についてもきれいに入っているものが多く、全般を通して穏やかな気候で、程よく実ればいいと願って見た」と述べた。参列した下諏訪地区大総代会の有賀守会長(70)は、「平穏な一年であってほしい」と話していた。（写真は大祓詞を唱えながら粥を炊く神職）