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唐辛子栽培普及へ 育てやすさ確認し岡谷市農委が来月説明会

2024年12月18日


 岡谷市農業委員会は、遊休農地の解消などへ、唐辛子栽培の普及に取り組む。七味唐辛子メーカー・八幡屋礒五郎(本社・長野市)の協力で本年度、市内で試験栽培し、育てやすさや食害の少なさを確認。現在、来季から取り組む農家を募っていて、1月には説明会を開いて詳細を伝える。
 農業委は5月、収穫した唐辛子を買い取ってもらう契約で、同社から指定品種「信八」の苗256株の提供を受け、川岸東のほ場約100平方メートルで試験栽培。10月上旬に収穫し、長地出早のビニールハウスで枝付きの状態で乾燥させた。17日には委員ら約10人が集まり、実を枝からつみ取った。実の水分量が15%程度になるまで更に乾燥させた後、1月上旬に納品する予定だ。
 ほ場の所有者でもある農業委の宮澤淑会長によると、密植栽培でも順調に成長し、茎の長さは約40センチで支柱も不要。寒さにも強く、摘果の手間もなかったという。害虫は、各地で大量発生したカメムシが葉に付いた程度で大きな被害はなく、栽培の拡大に乗り出すことを決めた。
 宮澤会長は「栽培面積も取らず、食害もほとんどなく育てやすかった。少し手間だとすれば、乾燥作業くらいではないか」と振り返り、「苗の支給があるため初期投資が不要で、出荷先も確保されているのはありがたい」と話す。農業委事務局の担当者は「試験栽培は滞りなく進み、無事に収穫できた。唐辛子栽培が普及して市内遊休農地の減少につながれば」と期待する。
 栽培を希望する一般生産者向けの説明会は1月21日(火)に市役所で開く予定で、担当者が栽培手順や注意点、納品基準などを話す。申し込み、問い合わせは農業委事務局(電0266・23・4811、内線1488)へ。
(写真は、試験栽培で順調に生育した唐辛子。17日には委員らが摘み取り作業を行った=長地出早のハウスで)