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ドキュメンタリー「鹿の国」諏訪シネマズ第8号に認定

2024年12月7日


 諏訪地方観光連盟(会長・金子ゆかり諏訪市長)は6日、諏訪大社の神事から諏訪の精神風土に迫ったドキュメンタリー映画「鹿の国」を、諏訪シネマズ第8号に認定した。弘理子監督は同市で開いた認定式に出席し「諏訪のかけがえのない魅力が広まれば」と反響を期待。1月に、県内外で公開される。
 諏訪6市町村の観光振興や観光PRに資すると認められる作品を認定し、諏訪地方の観光宣伝ツールに活用する事業。諏訪圏フィルムコミッションの推薦作品から決まる。
 同作は2021年秋からことし春まで、諏訪を中心に県内で撮影。地元関係者100人以上が関わり、諏訪の民俗史、諏訪信仰が根付く生活、祭礼を収めた貴重な記録作品。
 映画では、大社の神事を記した資料に残る「鹿なくてハ御神事ハすべからず」の一文にも示され、神事に欠かせないとされた鹿のいけにえに注目。鹿の首(剥製)を供える4月の「御頭祭」、鹿を射ってささげたという9月の「御射山祭」の撮影映像、鹿を食べて芸能を奉納したとする冬の「御室神事」の再現映像などを通し、「贄(にえ)は何を意味するのか」に迫った。
 いけにえをささげ豊穣(ほうじょう)を祈る神事や、諏訪信仰が根付く諏訪、近隣地域の生活を撮る中で、「贄(にえ)は命をつなげるもの」と捉えた制作陣。弘監督は「命の巡環を強く感じた」「諏訪大社の四季の神事が諏訪人の心の核にある」と話した。
 認定書を贈った金子市長は「諏訪人の気質、精神性を読み解く一つの切り口として諏訪大社、ミシャグジ信仰に切り込んでくれた」と評価。認定式には、伊那市出身で同作プロデューサーの北村皆雄さんも出席した。
 諏訪地方の上映は1月3日(金)から岡谷市の岡谷スカラ座で。上映に先駆け、今月16日(月)からパネル展を同市のレイクウォーク岡谷で行う。
(写真は、金子市長㊨から認定書を受け取る弘監督㊥、北村さん)