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下諏訪の湯で憩う公家の和歌 本陣・岩波家住宅で公開 庭園の紅葉に 合わせ30日まで
2024年11月23日
下諏訪宿本陣・岩波家住宅(下諏訪町横町木の下)は、江戸時代に公家が本陣でしたためた和歌の書を飾っている。日光例幣使や茶壺(つぼ)道中で訪れ、宿泊費代わりに残したという約15点を、庭園の紅葉に合わせて特別公開している。30日(土)まで。
同家では数百枚の歌を保存しているといい、今回は名前がはっきり確認できるものを中心に展示。朝廷と幕府の連絡、交渉役を担い、和宮の降嫁にも関わったという坊城俊克(1802〜65年)は、「綿の湯は温かく柔らかで命がながらえる」といった趣旨の和歌を残した。江戸から京都をつなぐ中山道で唯一天然温泉があり、多くの旅人が疲れを癒やした下諏訪宿の様子がうかがえる。
28代目当主の岩波太佐衛門尚宏さんは「高貴な方がこの環境で一筆書いた思いを共有したい。当時の当主の気持ちがよく分かり、残してもらえて誇りに思う」と話していた。
午前10時〜午後4時。11月末まで無休。要入館料。問い合わせは同家(電0266・28・7055)へ。(写真は、岩波家住宅に展示されている公家の歌)