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シルクの魅力たっぷり 絹工房「アトリエオープンデー」24日まで

2024年11月23日


 絹製品の開発や技術伝承に取り組む「きぬのふるさと岡谷絹工房」の「アトリエOPEN DAY」が22日、岡谷市中央町の旧山一林組製糸事務所で始まった。会員が昨年から取り組んできた着物をはじめとする作品や、京都の工房の依頼で織った帯などを並べ、綿々とつないできた技術やシルクの魅力を発信している。24日(日)まで。
 工房は1998年、市出身のテキスタイルデザイナー宮坂博文さん(1925~2013年)が創設。オープンデーは毎年、工房とする同事務所で開き、今回は岡谷蚕糸博物館で開催中の宮坂さんに焦点を当てた企画展の関連イベントにも位置付ける。
 着物は昨年春、小山町子代表(77)=内山=の呼びかけで一部の会員が制作を開始。会場には、仕立済みや仮仕立ての6着に加え、反物や帯など9人の12点が並ぶ。小山代表に技法を教わり、糸の染めから取り組んだ。一部は岡谷産の繭や、宮坂製糸所(郷田)で取った糸を使ったという。
 2階和室には、京都の絞り染めやつづれ織りの工房の依頼で織りを手がけた帯4点を紹介。隣の貴賓室には、タペストリーやネクタイ、マットなど工房に残る宮坂さんの作品を集めた。1階では、草木染のストールや手織りマフラー、小物などの絹製品100点以上を展示販売する。 
 これだけの着物を展示するのは初めてといい、小山代表は「ここまで織れるようになったのは宮坂先生のおかげ。苦労や技術を見てほしい」と話す。
 期間中は、コースターの機織り(各日20人、500円)と組紐(くみひも)作り(各日午前10時半と午後1時半から各10人、300円)の体験も用意。事務所内に研究室を置く慶応義塾大学経済学部「藤田康範研究会」が開発した「シルクおかやカードゲーム」で、藤田教授と遊ぶイベントもある。
 入場無料。午前9時半〜3時半。問い合わせは工房(電0266・24・2245=火、土、日曜の午前9時〜午後4時)へ。
(写真は、着物など会員の作品が並ぶ会場)