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浪人塚 活用など模索へ 和田嶺合戦から160周年で講演と座談会

2024年10月28日


 幕末の1864(元治元)年に下諏訪町樋橋であった和田嶺(わだれい)合戦から160周年の節目に合わせ、下諏訪町は27日、記念講演会と座談会を下諏訪総合文化センターで開いた。戦死した水戸天狗(てんぐ)党の浪士を供養するため、合戦地の樋橋に築かれた「浪人塚」を顕彰する事業の一環。座談会では出席した水戸市関係者や宮坂徹町長が、同塚を160年間守ってきた地元・樋橋地区の功績を高く評価。文化財を保存し、後世に伝えていくため、関連する史跡の連携や、所在地同士の交流を求める提案などがあった。
 筑波山で挙兵し、尊王攘夷(じょうい)を唱えて京都に進軍していた天狗党を、幕命により高島・松本藩連合軍が迎え撃った同合戦や、慰霊の歴史を振り返る企画展(町諏訪湖博物館・赤彦記念館で11月3日まで)に合わせて開き、町民ら約80人が出席。
 座談会には宮坂町長、樋橋地区役員の小松直人さん、水戸市教育委員会歴史文化財課課長補佐の関口慶久さん、天狗党など幕末の動乱で亡くなった志士を祭る水戸回天神社代表役員の羽部道紀さんの4人が登壇。前段の講演会で講師を務めた中央大学法と正義の資料館・大学史資料館学芸員で、幕末史研究者の岩立将史さんが進行した。
(写真は、座談会で意見を述べる小松さん=右端、宮坂町長=右から2人目)