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来館者数 最多更新4414人に 辰野美術館「ひこねのりお展」
2024年9月24日
辰野美術館で開かれていた特別展「ひこねのりお展」最終日の23日、来館者数が同館展覧会の歴代1位となった。スナック菓子のキャラクター「カールおじさん」などを手がけたアニメーターひこねのりおさん(87)=東京都=の作品を見ようと、7月13日から63日間の会期中、4414人が来館。展覧会最終日での偉業達成にひこねさんは「信じられない」と驚いていた。
同館の展覧会来館者数で、これまでの最多は1988年の第31回「安井賞展」が記録した4368人。近年は来館者数の減少傾向が続いていただけに、同館学芸員の川島周さん(31)は「素晴らしい結果と自負。ひこねさんの厚意と来館者の皆さんのおかげで、今後の励みになる」と話す。
4369、4370人目の来館者となった辰野町の夫妻は、ひこねさんからキャラクターを手書きした色紙を受け取った。夫妻は「突然のことで驚いたが、光栄。大切に飾りたい」。ひこねさんは「これほどたくさんの人が来るとは思わなかった。こんなに楽しい経験は最初で最後」と笑顔だった。
特別展では、アニメやCMのラフ画のほか、絵コンテ、絵本の原画など約500点を展示。初日から100人以上が訪れ、来館者を伸ばしてきた。一時は落ち着いたものの盆休みごろから再び増え、今月14日に3000人を突破。22日には一日としては最多の251人が来館し、4000人を超えた。リピーターのほか、茨城県、京都府、鳥取県など遠方から足を運んだ人もいたという。
好評の理由について、川島さんは「ひこねさんが作り出すキャラクターが親しみやすく、知名度も高いのが大きいのでは」とみる。今後に向けては「これで満足せず、地域に親しまれ、長く続く美術館として活動していきたい」としていた。
(写真は、来館者数更新となった夫婦に記念品を贈るひこねさん㊨)