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諏訪湖ワカサギ投網漁解禁 「脂乗り良さそう」

2024年9月10日


 諏訪湖で9日、今季のワカサギ投網漁が解禁された。資源保護のため、昨年まで1時間としてきた出漁時間は2季ぶりに従来の2時間に戻した。初日は岡谷市、諏訪市、下諏訪町の漁師6人が日の出前から船で湖上へ出て網を投げ入れ、計23.1キロを水揚げ。諏訪湖漁業協同組合の藤森惠吉組合長(73)は「ことしも良いワカサギが取れた。脂の乗りも見た感じは良さそう」と笑みを浮かべた。
 県水産試験場諏訪支場(下諏訪町)が7月末に実施した魚群探知機を使った調査で、ことしの諏訪湖のワカサギの資源量は昨年同時期と比べ約2倍の2835万匹と推定されたことから、当分の間、出漁時間は毎週月、木曜日の週2回、午前4時〜同6時とする。
 今春には、野尻湖漁協(信濃町)から購入した5000万粒と合わせて5170万粒を諏訪湖に放流しており、この日、漁獲された多くが全長5〜6センチ、体重2〜2.5センチの小公(当歳魚=とうさいぎょ)。
 午前7時過ぎには、水から揚がったばかりのワカサギが諏訪市渋崎の漁協市場に次々と持ち込まれた。45年ほど漁を続けるという男性(72)=諏訪市=は、同市豊田沖から岡谷方面に進みながら25回ほど仕掛けを投げ、6.4キロ取った。「量は取れなかったが、ワカサギの顔が見られて良かった。あしたは筋肉痛だな」と笑顔を見せた。水揚げされたワカサギは加盟する川魚店14店舗のうち、11店舗が買い付けた。
 同漁協によると昨年9〜11月に水揚げされた資源量は小公509.4キロ、2年目以降の大公8.5キロの計517.4キロだった。禁漁時期については「自然ふ化がどれくらいあるか分からないが、ことしは採卵が少ない上に、(魚食性鳥類の)カワウが湖周に多く定着していて厳しい状況にある。様子を見ながら時期を決めていきたい」とした。
(写真は、銀鱗を光らせる取れたてのワカサギを確かめる藤森組合長㊧ら)