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太鼓まつり開幕 「原点回帰」先人に感謝

2024年8月14日


 岡谷の夏を彩る市民祭、第55回「岡谷太鼓まつり」が13日、本会場のイルフプラザ平面駐車場などで開幕した。新型コロナ禍に伴う3年間の中止を挟み、「復活」を遂げた前回を経て「未来に向けた新たな一歩」を志向し、準備が進められてきた今大会。初日は新たな試みと共に、今日の郷土芸能にまで発展した岡谷太鼓の礎を築いた先人に感謝し、この先を見据える特別企画も盛り込んで全国からの来場者を楽しませた。
 特別企画は、間口60メートルの「メーンステージ」のプログラムの一つとして計画。「原点回帰」と銘打ち、御諏訪太鼓宗家でことし、生誕100年を迎えた小口大八さんをはじめ、岡谷の活性化に尽力した先人に感謝し、御諏訪太鼓や岡谷太鼓、市内の小中学生らがステージに立った。
 太鼓まつりは1970(昭和45)年、小口さんの指導で市や岡谷商工会議所など、6太鼓連が出演して「六道の辻(つじ)」で初開催したのが始まり。この時は商業祭の位置付けだったが、その後、市民祭として定着し、今では全国から2日間で10万人以上を集める岡谷の一大イベントへと成長した。
 ステージでは、小口さんが62年に作曲し、太鼓まつりの初回から披露されるなど国内にとどまらず、世界でも打ち継がれる「勇駒(いさみごま)」を合同で演奏。打ち手は文字通り、原点に立ち返りながら和太鼓文化や岡谷太鼓の伝統、祭りを未来永劫(えいごう)つないでいく決意をばちに込めて打ち上げていた。
 「勇駒」の演奏終了後、司会者からインタビューを受けた御諏訪太鼓保存会の古屋邦夫会長(76)は「とにかく太鼓を好きになってほしい」と万感の思いを吐露。本紙の取材に、改めて小口大八さんが残した遺産の大きさに触れて、「岡谷だけでなく、どこに行っても太鼓を通して仲良くなれる」と強調した。
 14日の本祭りも太鼓演奏や踊りパレード「MINAKOIわっさか」、市民参加型ステージ「ふれあい広場」などの企画が行われる予定。 
(写真は、小口大八さんら、先人の功績をしのんだ特別企画「原点回帰」)